2026/06/18 13:23

名古屋ミネラルマルシェで、印象に残った石のひとつが「神居古潭石(かむいこたんせき)」でした。
実際に神居古潭石を扱っている出店者さんからお話を聞く機会があり、ただの“黒い石”ではない、独特の存在感を持つ石なのだと改めて感じました。

北海道の自然、歴史、そして現在の採掘事情――。
調べれば調べるほど、「もう簡単には出会えない石なのかもしれない」と思わされる、日本らしい魅力を持った銘石です。

○神居古潭石とは?
神居古潭石は、北海道の「神居古潭(かむいこたん)」地域で産出する石として知られています。

深い緑色や黒に近い色味を持ち、磨くと独特の艶が現れるのが特徴。
和石(日本の天然石)好きの間では昔から知られており、北海道を代表する銘石のひとつとして扱われています。

“派手に輝く宝石”とは違い、静かな存在感、重厚感、日本的な渋さ
大地のような深い色味を感じる石です。
海外の鉱物ともまた違う、どこか“日本の自然”を感じる雰囲気がありました。

○今は簡単に採掘できる石ではない
今回特に印象的だったのが、出店者さんから聞いた採掘事情でした。
現在、神居古潭石は簡単に採れる石ではなく、採掘が難しい状況にあるそうです。
さらに、
もし仮に採掘可能になったとしても、熊が出るような危険な場所だから自分は行かない」という話も聞きました。

○神居古潭は“神が住む土地”
神居古潭という地名は、近年では事件報道や漫画作品などを通じて知った人も多いかもしれません。
そのため、地名だけが独り歩きしてしまったような印象を受けることもあります。

神居古潭石の産地である「神居古潭」は、古くからアイヌ民族にとって“聖なる場所”とされてきた土地です。

「カムイコタン(神居古潭)」はアイヌ語で“神が住む土地”という意味を持つとも言われています。
その名前の通り、険しい自然や独特の空気感を持つ地域であり、北海道の中でもどこか神秘的な印象を感じさせる場所です。

そうした背景もあり、神居古潭石は単なる鑑賞石としてだけでなく、“霊石”や“守護石”のように語られることもあります。

近年ではパワーストーンとして人気を集める理由も、単なる見た目だけではなく、この土地の持つ歴史や空気感に惹かれている人が多いからなのかもしれません。

日本人より海外人気?和石の海外流出への不安

さらに興味深かったのが、
「日本人より外国人コレクターの方が反応が良い」という話でした。ブースで話を聞いてる時も海外のお客様が集まっていました。

近年は、日本産の天然石や鉱物が海外コレクターから注目されているそうです。
特に神居古潭石のような“和石”は海外人気も高く、希少な石ほど国内で見かけにくくなっていくのでは――と少し不安になるほどでした。
採掘が難しく、数も限られる石だからこそ、日本の石文化として残ってほしい――。そんなことも考えさせられました。

神居古潭石を使用したブレスレットなども人気があり、“身につける和石”として楽しむ人も増えているそうです。

深い緑黒色と独特の艶感は、日本の自然石ならではの魅力を感じさせます。

名古屋ミネラルマルシェで実際に神居古潭石を見て、話を聞いたことで、ただの天然石ではなく、“土地の記憶を持った石”のような存在に感じました。

北海道の自然、アイヌ文化、人が簡単には踏み込めない土地、

そして今では簡単に採掘できない現実。

そうした背景を知るほどに、神居古潭石の持つ独特な魅力に惹かれます。

いつか国内でさらに希少になってしまう前に、
実際に見ておきたい日本の銘石のひとつなのかもしれません。