2024/04/24 00:00

日本人の暮らしの中で、大切な役割を果たしてきた風呂敷。物を包むだけではなく、物を贈る相手への心づかいだったり、様々なシーンで幅広く使われていました。
日本人は、この風呂敷に柄を入れ、数多くの意味を持たせてきました。それは、物を受け取る相手へメッセージを伝える意味もあったそうです。実用性だけではなく、気づかいを重んじる、日本らしい一品です


ー唐草模様ー
つる草が四方八方に伸びて絡みあう生命力を象徴する文様。子孫繁栄や長寿を意味する演技が良い模様です。

「唐草」という実際の植物が存在するのではなく、葡萄などの蔓を図案化した模様がエジプトなどに始まり、中国を経て日本に伝わったものらしいです。
「唐草」の名前の由来は、「唐の国から伝わった」から、「からみ草」が略されたなどの語源と言われています。唐草模様は世界中に存在しており、英語では「アラベスク」と呼びます。

日本では誰もが一度は見た事あると思われる唐草模様は、白抜きの唐草模様「獅子舞のかぶり布」でも使用されていますね。祭りの時の獅子舞が出ていたので、大きな唐草風呂敷を担いでいても怪しくない為、泥棒に愛用(?)されるようになったともいわれています。

この唐草模様はシルクロードから奈良に入り和式化したと言われています。どの国でも共通している事は吉祥模様であるということ。四方八方に伸びるつるが絡み合ってできる様はまるで人間がたくさんの人と出会い成長する様子を描いているかのようです。



唐草模様や、つたの葉、花のように絡み合った可愛らしいモチーフのアラベスク模様。神聖幾何学模様が連なるように⾒えるアラベスク模様は、世界中に残る遺産や建造物に施されています。
発祥は古代エジプトやイスラムと⾔われており、イスラム美術として広く愛されてきました。
その後ヨーロッパ各地やアジア⽅⾯にも広がっていったアラベスク模様は、世界中の装飾⽂化に⼤きな影響を与えました。アラベスク模様は、調度品や宝⽯の世界でも⼈気の⾼いモチーフ。特に宝⽯では、指輪やピアスなど数々のジュエリーに施されています。

○アラベスク模様
「アラベスク」という⾔葉は、フランス語で「アラビア⾵」という意味です。アラベスク模様で代表的なものは、つたの葉っぱなどの模様が左右対称のシンメトリーで繰り返され作られるパターンが連なったものでしょう。
アラベスク模様には、植物をモチーフにしたもの、円の組み合わせなど幾何学模様が繰り返されるもの、⽂字がベースになっているものなどがあります。数学的⾒地から⾒ても完璧なアラベスク模様は、多くの⼈たちの⼼を魅了し、世界中に広がっていったのです。

○神聖幾何学模様としてのアラベスクモチーフ
世界中の壁画やタイルなどにも描かれているアラベスク模様は、いくつかの模様が複雑に絡み合っているようにも⾒えます。
イスラム教は、偶像崇拝を禁じていたため、絵画や装飾品に⼈や動物
を描くこと⾃体がNGです。そのため、植物やコンパスで描く円が、同じように美しいシンボルが連なって、アラベスク模様が⽣まれていったのです。

○永遠の愛のシンボル
アラベスク模様は、古き良き時代から世界中あらゆるところで描かれるようになり、神聖なシンボルとして⼈々の⽬に残るようになりました。
特に装飾品としてのアラベスク模様は、永遠性、豊かさ、繁栄、循環の意味も持っていたため、献上品の模様、神聖な場所などに描かれるものでした。
様々なパターンがあるアラベスク模様ですが、2本の線が絡み合って続いて⾏くことから、恋⼈同⼠が永遠の愛を誓う時のシンボルとしても⽤いられていたのです。

昔からペアリングやペアアイテムの模様としてアラベスク模様が施されたものですが、今でもペアリングや⼤切な⼈への贈り物にアラベスク模様のモチーフが⼈気なのは、永遠の愛のシンボルとして気持ちを表しているからです。

たとえ離れ離れになっても、絡み合うご縁が続いていくというのは、恋愛関係に限らず、家族愛や友⼈愛にも⾔えることです。

何かのご縁で⼀度でも巡り合った⼈とは、ずっとその後も縁が続いていく、そしてそれは恋愛感情であればより強いご縁となっていくのです。
相⼿を思いやり、相⼿から思いやられるなどの愛の循環をサポートする事が、アラベスク模様がもたらすでしょう。