2023/10/11 05:00
|誕生石の起源は聖書の時代
誕生石の起源は、聖書の時代まで遡ります。旧約聖書の『出エジプト記』に出てくる12種類の宝石や、新約聖書の『ヨハネの黙示録』に記述された12個の宝石が、現在の誕生石の基礎と言われています。
その後、誕生石は宝石商の手によって世界中に広まりましたが、徐々に世界各地でばらつきが生じるようになりました。そこで1912年にアメリカの宝石業界は、初めて誕生石のベースを制定。現在では歴史や産出される宝石などの影響で地域ごとにいくつか違いはありますが、ベースはアメリカが制定したものとなっています。
|日本での誕生石の制定は1958年
日本の誕生石は、1958年に全国宝石商組合によって制定されました。アメリカが制定した誕生石をベースに、東洋で古くから親しまれてきた東洋七宝である珊瑚と翡翠が追加されています。
|2021年に日本の誕生石が改定
2021年12月20日、日本では63年ぶりに誕生石が改定され、新たに10種類の誕生石が追加されました。その背景には、2016年にアメリカで誕生石改定があったことが関係していると言われています。
これまでは誕生石に明確な規格はなかったため、ジュエリーに関連する団体ごとに、さまざまな誕生石が設定されていました。しかし、アメリカで新たに4つの誕生石が追加されたことを受けて、日本の宝石業界でも「もっと多くの人に宝石に興味を持ってほしい」という声が挙がるように。
その声の実現に向けて、全国宝石卸商協同組合が誕生石の改定と統一を呼びかけました。そして2021年12月に、日本国内で統一された新誕生石として、10種類の宝石を加えたものが制定されました。
|誕生石は29種類
2021年の誕生石改定で、日本ではこれまで19種類だった誕生石に、新たに10種類が追加されました。追加されたのはアイオライト、モルガナイト、アレキサンドライト、スフェーン、スピネル、クンツァイト、タンザナイト、ジルコン、クリソベリル・キャッツアイ、ブラッドストーン。これにより各月ごとに1~4個の誕生石が定められる形となりました。
|誕生石とは別に、366日それぞれに宝石を当てはめた誕生日石というものも存在します。誕生石も誕生日石も生まれた月や日を象徴する宝石なので、お守りやプレゼントにおすすめです。
|誕生月以外の宝石を着けてもOK
誕生石は、自身の誕生月以外のものを身に着けても問題ありません。大切な人の誕生石を身に着けたり、色の好みや石言葉で選んだりするのも良いでしょう。また、月ごとに身に着ける宝石を変えるのも楽しみ方のひとつ。月ごとのジュエリーをコレクションするのも素敵です。
その他、「星座石」というものもあります
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|11月の誕生石 はトパーズ/シトリン
トパーズの石言葉は「友情、希望、誠実、潔白」です。
和名では「黄玉」と呼びますが、代表色であるイエローの他にもさまざまなカラーがあります。なかでも、透明感のあるブルートパーズは人気の高いカラー。知的な印象を与える輝きは、コーディネートのアクセントにもぴったりです。
|こんな人におすすめ
・勇気を持って前に進みたい
・諦めずに目標を達成したい
|トパーズとは
黄玉(おうぎょく)とも言われるトパーズの語源は、サンスクリット語の「tapas(タパス)=炎」、ギリシャ語「topazos(トパゾス)=探求する」。その名を連想させるオレンジの他、ブルーやピンクなどカラーバリエーションが豊富です。放射線や熱による加工を施して色を安定させたり、濃色のブルーを引き出したりする。
|トパーズの産地
トパーズの主な生産地は、ブラジル・パキスタン・ロシアと、世界各地にあります。このうち特に重要な産地とされるのが、2世紀以上にわたってトパーズの採掘が行われているブラジルのミナスジェライス州です。ここでは、イエロー・バイオレット・オレンジ・レッドなど、多彩で高品質なトパーズが採掘されます。日本国内の主な発掘地は、滋賀県や岐阜県です。
|ブルートパーズ
ブルートパーズは澄んだ色合いが美しく、トパーズの中でも人気が高いカラーです。
空のように明るいものは「スカイブルートパーズ」、鮮やかで濃いものは「スイスブルートパーズ」など、濃淡によって呼び名が変わります。なかでも価値が高いとされるのは、深みのある濃い色の「ロンドンブルートパーズ」です。
天然のブルートパーズは非常に珍しく、流通している商品のほとんどは、ホワイトトパーズに放射線照射や熱加工を施して作られています。
シトリンの石言葉は「希望、友情、金運」です。
黄色がかったオレンジ色のシトリンは、パッと目を惹く華やかな明るさが感じられます。金運アップや人間関係を改善してくれると言われています。
|こんな人におすすめ
・新規事業に挑戦したい
・事業を拡大させたい
・金運を高めたい
|シトリンとは 「希望」を意味する宝石
シトリンとは、黄色からオレンジの発色があるクォーツを指します。名前の由来は、フランス語でレモンを意味するcitron(シトロン)です。11月の誕生石で、和名は黄水晶(きずいしょう)。
幸運を呼ぶ「希望の宝石」と呼ばれることもあります。
主要な産出地はブラジル、ボリビア、スペイン、マダガスカルなどで、なかでもブラジル産のシトリンは世界最高級の品質であると称されています。
|シトリンの歴史
シトリンはクォーツの一種ですが、その歴史はとても古いものです。クォーツは何千年も昔から、装飾品に使用されてきました。ビクトリア朝時代のペンダントやブローチには、シトリンがあしらわれているものも数多くあります。
そして近代でも、シトリンは変わらず人気を誇っているようです。フランスの高級宝飾ブランドであるカルティエがインドのマハラジャのために制作したダイヤモンドのネックレスには、センターに大きなシトリンがあしらわれており、存在感を放っています。