2023/06/28 10:00

ジュエリーは、美しさと輝きだけでなく、時には特別な想いや意味を持っています。
その中でも、ジュエリーの刻印は、素材や品質の情報だけでなく、
製作者や所有者の想いが込められていることがあります。
本記事では「ジュエリーの裏側に刻まれた刻印の意味が知りたい」という方や、「ジュエリーの裏側に思いを込めたメッセージを刻みたい」という方のために、ジュエリーの刻印を入れる場所、種類、刻印の例などを詳しくご紹介します。
ジュエリーの刻印に込められた想いについて探求してみましょう。


まずはジュエリーの刻印を入れる定番の場所を指輪やネックレス、
バングルなど商品ごとに紹介します

指輪(リング)
基本的には指輪の内側に刻印します。婚約指輪や結婚指輪、ペアリングなどの場合、イニシャルや記念日、短いメッセージを刻印するのがとても人気です。
また、ダイヤモンドや天然石が留めてある指輪や、金・銀・プラチナでできた指輪には、カラット数や金属の名称(K18・SV・Ptなど)が刻印されている場合もあります
所有者や特別なメッセージを内密に保つことができます。本当の意味でのオリジナルな指輪、ジュエリーですね

ネックレス(ペンダント):
バチカン(ペンダントの上部):ネックレスのバチカン部分は、刻印を入れる場所として一般的です。ここに刻印することで、ネックレスのデザインや形状を損なわずに、特別なメッセージを表現することができます。

ブレスレット・バングル
ネックレスと同様に、フックとプレートの金具がついているタイプのものは、フックを受けるプレート部分に刻印します。

バングルなどの金具がないものは、指輪同様、内側に刻印します。
バングルやブレスレットの内側は、刻印を入れる一般的な場所です。ここに刻まれた文字や記号は、手首の内側に位置するため、目立ちにくくなります。また、内側に刻印されることで、バングルの外側はシンプルで美しいまま保たれます。


ペンダント
金具がついている場合は金具に刻印しますが、金具がなくネックレスのトップがプレートモチーフの場合は、裏面に刻印します。
同様に、プレートの大きさがある程度ある場合は、イニシャルや日付、メッセージなどを刻印することもできます。

イヤリング:
フックの部分:イヤリングのフック部分は、刻印を入れる場所として選ばれることがあります。フック部分には小さな文字や記号が刻まれ、イヤリングが耳に装着されたときには目立ちにくくなります。

ピアス:
ピアスは本体とキャッチが離れているので、どちらにも刻印されることが多いです。まれに針部分や側面に刻印されることもあります。
極小のピアス・イヤリングだと、刻印されない場合があります。

ブローチ:
バックピン(裏面):ブローチの裏面やバックピン部分には、刻印を入れることがあります。ここに刻まれた文字や記号は、ブローチの装飾部分を損なわずに、所有者の特別なメッセージや意味を伝えることができます。


「金属の種類や純度」を示す刻印

貴金属のほとんどは、「純金」や「純銀」といった混じりけのない状態だと、柔らかすぎてジュエリーなどの装飾品には向きません。

そのため、ほとんどのジュエリーは「純」な金属に、他の金属を混ぜることで硬くしています。そこで「何の金属を、どの割合で混ぜたか」を示すために、刻印がされるというわけです。

「割合」と書きましたが、ここであまり見慣れない記号をご紹介します。パーミル(‰)という記号です。

シルバーの刻印
1000 : 1000‰ 純銀
999 :  999‰ シルバー +  1‰ 他の金属
950 :  950‰ シルバー +  50‰ 銅など
925 :  925‰ シルバー +  75‰ 銅など

おそらく一番目にする機会が多いのは「925」でしょう。頭に「SILVER」や「STERLING SILVER」、「SV」などがついていることもありますが、意味は同じです。


ゴールドの刻印
K24 or 1000 : 1000‰ 純金
K22 or  917 :  917‰ 純金 +  83‰ 他の金属
K20 or  835 :  835‰ 純金 + 165‰ 他の金属
K18 or  750 :  750‰ 純金 + 250‰ 他の金属
K14 or  585 :  585‰ 純金 + 415‰ 他の金属
K12 or  500 :  500‰ 純金 + 500‰ 他の金属
K10 or  417 :  417‰ 純金 + 583‰ 他の金属
K9 or  375 :  375‰ 純金 + 625‰ 他の金属

K18やK14はよく見かけるのではないでしょうか? 「K」とは、ゴールドの純度を表す単位で、カラット(Karat)の頭文字です。「FINE GOLD」「999.9」という表記のものも見かけますが、これは純金、K24の金だと思っていただいて大丈夫です。

日本では「K○○」という表記が一般的ですが、外国では1000分率の数字をそのまま刻印していることもあります。750や585などはよく見かける刻印だと思います。

また金は混ぜることで色味も変えることが出来ますので、色の刻印がついていることがあります。
18金ホワイトゴールドであれば「K18WG」、10金ピンクゴールドであれば「K10PG」などです。

金のように高価な金属の場合、偽の刻印の他にも「紛らわしい刻印」も多く見られます。その代表的なものはメッキの刻印です。

「K18GP」だと、「18金のメッキ」をしているという意味で、GPはゴールドプレーテッド(Gold Plated)の略です。見た目の色が金色でも中身はシルバーだったり鉄だったりすることがあります。

「微妙な刻印」というのもあります。通常の刻印は「K18」ですが、まれに「18K」と記されたものがあったりします。これは本物であることもあるし、偽者であることもあります。特に古いものに見られる傾向があります。

さらに「18KT」と記されたものもあります。これはカラット(KARAT)の略で主に外国で使用されています。日本ではほとんど見かけないと思います。


プラチナの刻印
Pt1000  : 1000‰ 純プラチナ
Pt950  :  950‰ 純プラチナ + 50‰ パラジウムなど
Pt900   :  900‰ 純プラチナ + 100‰ パラジウムなど
Pt850   :  850‰ 純プラチナ + 150‰ パラジウムなど

「PLATINUM」と書いてあるものもあります。プラチナの純度が高いものは結婚指輪や婚約指輪などに使われることが多く、850くらいのものはネックレスのチェーンなどとして使われることが多いです。

なお、850‰に満たないものは日本ではプラチナとして呼ぶことはできません。この品質に対するこだわりもプラチナが高級で人気のある所以でもあります。

ちなみにイギリスでは、95%以上でなければプラチナと呼ばないそうです。


「宝石の品質」を示す刻印
宝石の価値は、一般的にカラット数(重さ)に左右されます。
そのため、高級な宝石が留まっているジュエリーについては、その宝石の種類とカラット数を記載することが多いです。

この刻印のことを「石目」や「キャラ目」と呼びます。

石目・キャラ目の刻印方法としては、宝石の名称の頭文字と、キャラット数の数字のみを刻印することがほとんどです。

たとえば、ダイアモンド(0.23カラット)を留めた指輪であれば、「D0.23」と刻印します。宝石がサファイア(0.23カラット)なら「S0.23」、エメラルド(0.23カラット)なら「E0.23」となります。

また、メインの宝石(中石)とサブの宝石(脇石)が留めてある場合は、両方のカラット数を刻印します(同じ宝石だったとしても、それぞれ刻印します)。

=刻印についての注意点=
ジュエリーを制作する際、「刻印を打たなければいけない」という義務・ルールはありません。とはいえ当然、嘘の内容を刻印してはいけません。

しかし近頃は、地金価格の上昇により、詐欺行為を働いて利益を得ようとする輩が増えました。それに伴い、偽の刻印のついたジュエリーも増加傾向にあります。

主な被害者は地金の買取業者ではありますが、一般消費者であるみなさんも、ジュエリーを購入するときは信用のあるお店で購入することをおすすめします。


指輪に入れる刻印の例
刻印の例1:イニシャル もっとも定番人気の刻印です
N to S 
Dear N
N & S
N

刻印の例2:日付 記念日刻印
日付は文字数が多くなるので、メッセージも一緒に入れたい場合は、できるだけ省略して刻印するのがおすすめです。
2人にとっての特別な記念日、自分にとっての大切な日を刻印する方も多くおられます

2023.12.10
R4.5.10

刻印の例3:モチーフ(オーダーメイドならでは)
2人だけがわかるモチーフ、自分だけのモチーフ、思い出のモチーフ
などがあればぜひ刻み込みましょう。イニシャルや日付などは後日打てますが、裏側のモチーフは後日入れる事が難しくなるモチーフもあるので初めから打てるのがオーダーメイドならではです


刻印の文字数はジュエリーによってさまざまですが、目安は5〜20文字です。ジュエリーや指輪の中にはブランド名や品質証明の刻印(金属の種類や宝石)が入っていることもあるので、あらかじめ刻印する内容を決めていても、自由に刻印できない場合があります。
また、指輪のサイズや書体でも文字数は変わってきます。

刻印にかかる期間も費用も、ショップやブランドによって千差万別です。ジュエリー春日のオーダーメイドジュエリーであれば刻印は無料ですが、他の一般的なお店では刻印は無料サービスの場合もあれば、追加オプションの場合もあるので、事前に確認が必要です。

刻印の追加は刻印できるスペースがあれば、可能なことが多いです。

刻印をすべて消すことは基本的には消せる場合が多いです。技術的には難しく、時間がかかる場合があります

せっかくのオーダージュエリー、裏側の刻印もこだわってみて下さい。さらに「自分だけ」のパーソナルジュエリーになるはずです
キーテールでもオーダージュエリーにオリジナル刻印可能!
もちろん、基本的な「金属の種類や純度」を示す刻印はもちろん入ってます