2023/03/16 10:30
個人的に心に残った映画「ミッドナイトスワン」映画館で感激し、Amazonプライムで何度も見返して泣いた作品です
そこで今回は初めに映画「ミッドナイトスワン」の衣装と色彩について語ります。
2020年秋に公開された映画「ミッドナイトスワン」
脚本監督:内田英治 主演:草彅剛
淡く繊細で優しい物語に様々な出来事感情が溢れていて見終わった後も
ものすごく余韻が残る作品です。
音楽もすごく物語にあっていて素晴らしいです
SMAP解散後、あまりテレビでは見ることができなくなった草彅剛さん。
久しぶりに見た草彅剛さんはまさかのトランジェスターという難しい役柄。
草彅剛さんの演技者としての底力を、新ためて見せつけられたと感じます。
映画「ミッドナイトスワン」の概要
トランジェスターの凪沙と少女・一果の孤独な二人の物語。
トランジェスターとして体と心の葛藤を抱える凪沙(草彅剛さん)
と育児放棄された少女の一果が最初は不協和音の二人でしたが
一果がバレエを始めてバレエの才能を開花して行く中で
孤独に生きている凪沙が母性に目覚めていきます
「母になりたかった」恋愛でもなく母性愛。トランジェスターであるがゆえの過酷な現実も描かれています
映画の中に息づくこの世界の人たち。
「ミッドナイトスワン」の登場人物は本当に何処かにいそうです。
草彅剛さんは凪沙を生きていて、儚く切なく、どんな時も凪沙です
「草薙剛」を感じることはありません
夜の世界で働き、新宿で暮らしていて、タバコにミリタリー系統であるトレンチコート、赤のピンヒールブーツで歩く凪沙、その姿が一人で戦っている姿そのものです
「オネエ」的な派手さ可愛さを主張する事なく、エレガントな女性の姿です
この映画の色で一番印象的なのは「赤」ではないでしょうか。
「赤」
宿命、血の色、業。
赤い靴は踊り続ける宿命の物語。
凪沙も白鳥の衣装に赤いシューズ、一果も赤いリュックを抱えていました。
赤は女性の象徴、美しい強い色。渚沙はトレンチコートの下に赤い服、赤い靴、赤い口紅、飼っている金魚も赤色の金魚でした
実家での事件の時にはいつものベージュのトレンチコートから赤いトレンチコートになっていました
最後は強く一人でバレエ界で生きて行く一果・・
「ミッドナイトスワン」の赤といえばルビーが思い浮かびます
それもルビーの最高峰のピジョンブラッド!
大粒で透明感が高くて濃く美しい赤色のミャンマー産の
無処理ルビーは、ピジョン・ブラッド、と呼ばれます。
日本語では「鳩の血」です。
ピジョンブラッドの条件は細かく決められていて、
ミャンマー産(モゴック鉱区)である事、
鮮やかな赤色調で長波紫外線に対して鮮赤色反応など細かな条件があります。
ミャンマー産ルビーは紫外線に対して鮮赤色に反応する性質を持ち
太陽の下では 他産地のルビーに比べてよりいっそう強い赤色の色味を増します。
石言葉は「情熱・熱情・純愛・勇気・自由」
成人の日などの記念に、宝石言葉にある自由(独立)の意味を込めて、贈る習慣があります。
石言葉も何だか「ミッドナイトスワン」に合ってます
ルビーの語源は、「赤」を意味するラテン語の
「ルベウス(rubeus)」から来ているという説があり、
サンスクリット語の「宝石の王」を意味する(ratnaraj)に由来するといわれています。
ちなみに和名では、ルビーは「紅玉(こうぎょく)」と呼ばれています。
宝石の中でも知名度の高いルビーとサファイア。
見た目には異なりますが、なんとどちらも"コランダム"と呼ばれる同一の鉱物です。
赤色のものはルビー。赤色以外のものをサファイアと呼びます。
そもそも名前が全く違うために同じ鉱物とは考えにくいのもあまり知られていない理由の一つかもしれません。
細かく分けるとサファイアは青色のブルーサファイア以外を
ファンシーカラーサファイアと大枠で呼びます。
それぞれのカラーに合わせてピンクであればピンクサファイア、
グリーンであればグリーンサファイアと呼びます。
鉱物は不純物が少なく純粋に近いものは無色透明で、
そこに不純物が含まれることによって様々な色が現れるのです。
ルビーは不純物としてクロムを含むことにより赤い色に見えます。
ブルーサファイアは酸化鉄と酸化チタンを含むことにより青い色に
見えます
ルビーの色範囲で重要なことは赤が主要色(地色)ということ。
この色範囲の基準から少しでも外れるとサファイアとなります
特にルビーとサファイアの境界線が難しいのは
ルビーとピンクサファイアです。
その理由は、ピンクサファイアもルビーと同じくクロムを含有しているものがあるためです。
含有量の差でルビーなのかピンクサファイアなのかが決まってくるので、その境界線はとても難しくプロの鑑定士でも見解に違いがでることがあります。
その少しの差で宝石名が変わってしまうため、それによって
お値段も大きく変わってくることは明白です。
ルビーとピンクサファイア、どちらが高いかというとルビーです。
宝石が取引される市場でもルビーなのか、ピンクサファイアなのかと石と真剣に向き合うバイヤーの姿があるんです。
渚沙の体は男性であるのに心は女性というようにピンクサファイアももしかしたらルビーであるのにサファイアとなっているものもあるかも知れませんね